小学生低学年の頃のいちばんのお気に入りだった本は「世界の乗用車」でした。何処の出版社発行だったかは忘れましたが、国別にいろいろな乗用車が写真で載っていました。
当然お気に入りは、イタリアやドイツそしてフランスだったのですが、もう一つ忘れられないような奇妙で独特の不思議な形をした車があったのです。
このような国の車も網羅されていたので、わたしも知っていますが、このブログを読んで頂いている人も何人が知っておられるでしょうか?ほとんど知られていない車だとおもいます。日本にはもしかしたら1台もないかもしれませんね。
この車はチェコスロバキアの車です。
メーカーの名前は
タトラと言います。
T603です。この車は1953年発表のセダンで、オールアルミ製の2.5リッター空冷V8エンジンをリアに積むRR方式です。95HPの馬力ながら独特の空力ボディーで170Kmまで引っ張りました。この車の空力係数は0.36と言われています。今をしても非常に立派な数値です。
そして一番の特徴は、全面中央にならんだ3個のライトです。しかも先端には空力を考えてガラスのケースに収まっていました。
1965年以降の後期になると、ライトの位置はより普通になり4灯式になり、またトレッドも若干広げられたようです。また、ディスクブレーキも採用されました。
タトラ社を語る時に忘れられないのは、ポルシェとの関係です。1936年にタトラのハンス・レドヴィンカがつくりあげたT87は、RR、スイング式リアサスペンション、空冷V83リッターのエンジンで、1936年の昔に最高速度160キロ(巡航130キロ)を達成した驚異のくるまでした。
そして、これの後継車であるT97(1938年生産)は当時占領下であったドイツのヒットラーの命を受け生産中止になりました。ドイツでは1939年よりポルシェ博士の作ったKDF=ワーゲンビートルが生産されています。このあまりに似ている2台のためにT97は生産中止になったといわれています。ポルシェ博士がマネをしたとは今となってもわかりませんが、レドヴィンカとは同じオーストリア人であり、お互い知人であったとされています。
T97です。確かにKDFににていますね。でも、ポルシェ博士も30年前半よりRRに興味をもちNSUと共同でKDFの元になった車を開発しています。ですので、全くマネをしたとは言えないわけです。ただ、歴史的に疑惑があることは事実だそうです。白か黒jかはわかりません。
ポルシェ博士は、私にとっては
KDFよりもTiger戦車が頭にうかびます。(笑)